【ホームステイ型民泊とは】民泊新法で新しく認可された自宅の民泊化
2021.04.04民泊というと、ホテルのような専業で行うという印象がありますが、民泊新法が成立したことにより、自宅で簡単に始めらることも可能になりました。賃貸マンションでも民泊が可能になるホームステイ型民泊とはどんなサービスなのでしょうか。
目次
民泊の種類は2つ
民泊と言うと、マンションの一室やホテルのような一棟型を想像する方が多いかもしれません。
大きくわけて2種類。一般的に皆さんが想像するホテルのような民泊は家主不在型と言います。
ゲストがホスト(家主)と顔を合わせる機会はほとんどありません。
気を遣わずにホテルのように便利に過ごしたいゲストにぴったりで、またホスト側もビジネスと割り切って、投資の一環として運営しているケースが多い手法です。
本格的に民泊を運営することは難しそう、と思う方には実はホームステイのような家主居住型の民泊もあります。
民泊を最初に世間に知らしめた元祖としてAirbnbが有名ですが、日本に入ってきた最初はホストとゲストがコミュニケーションを取りながらステイする、ホームステイに近い形がほとんどでした。
家主居住型のように、自分の家の一部屋を貸して、リビングで交流をする。
家主不在型でも、夜ご飯を一緒に食べたり一緒に観光案内をしたり、バーで飲んだり。
今では少数派となってしまいましたが、そういった交流がメインだったのです。
そういった交流をしながら家の一部屋を貸す家主居住型なら、気軽に始めることが可能になります。
ホームステイと民泊の違い
家主居住型の民泊はホームステイとかなり似ていますが、ホームステイと民泊の違いはなんでしょうか。
家主(ホスト)とゲストが同じ建物内で生活するという点は同じですが、大きく違うのは
・ゲストがその地での生活者となっているか=長期滞在かどうか(30日以上)
・収益を目的としているかいないか
です。
ホームステイは外国人が一般家庭に泊まるだけではなく、その国の文化や生活を知ることが目的です。そのため、支払われる費用も宿泊費ではなく生活費としての最低額に設定されることが多いようです。
また、民泊と大きく異なる点ではゲストがその居住地で住民登録ができるという点も挙げられます。
逆に民泊の場合は交流をすることも含まれますが、収益化が主な目的になることが多いでしょう。また、ゲストの滞在も短期宿泊が主になります。
ホームステイと民泊では、日数と目的が大きく異なります。
ホームステイ型民泊のメリットとデメリット
実際にホームステイ型民泊(家主居住型)を行う場合のメリットとデメリットについて考えてみましょう。
ホームステイ型民泊のメリット
最大のメリットは手軽に始められることでしょう。
家主居住型民泊の場合、許可制ではなく届出制という点が注目すべき点です。
許可制の場合、基本的には禁止されているものの、許可を取得した人だけが解禁されるというもの。
そのため、規定をクリアし、厳しいチェックを受けて許可を受けなければいけません。
365日営業できる旅館業法は許可制です。
それに対して届出制の場合は、誰でも営業してもよいというのが前提です。
しかし自由に営業させてしまうと、違法行為があった場合などに管理ができないため、事前に届出をしてね、というのが届出制です。
ですから違法につながるなどの行為がない限り、届出の却下はできません。
そのため、比較的ホームステイ型民泊の場合は営業を始めやすくなっています。
また、自宅を利用して民泊を行うため、新しく物件を取得する必要がなく、初期費用を安く抑えることができます。
ホームステイ型民泊のデメリット
一番のデメリットはやはり年間180日までしか営業ができないことが挙げられます。
気軽に始められる分、収益性はどうしても劣ってしまいます。
また、ゲストの安全を考慮し、家主居住型の場合、家主が家を空ける時間は「1時間まで」とされています。
そのため、働きながら・・というのは難しく、専業主婦やリタイアした人など、ずっと自宅にいる家族がいることが条件となってしまいます。
時間の制約と収益性がホームステイ型民泊のデメリットです。
そのため、まずはホームステイ型民泊で始め、運営のコツを掴んだり立地の人気度を確認したら、似たような物件で旅館業法を取得し、本格的に家主不在型の民泊や簡易宿泊所の運営に移行するのもよいかもしれません。
ホームステイ型民泊を始める際の必要な手続き
では実際にホームステイ型民泊を始める際に必要な手続きはどう進めたらよいのでしょうか。
家主居住型の民泊の場合は、住宅宿泊事業法(民泊新法)にのっとって、届出を行います。
届出について
住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出を出す先は、管轄の都道府県知事です。
所定の届出書を民泊を開始する日の前日までに提出し受理される必要があります。
届出が受理されるために、以下の事項に当てはまっている事を確認しましょう。
・「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」の設備が揃っている。
・「現在人の生活の本拠として使用されている家屋であること」「入居者の募集が行われている家屋であること」「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋であること」いずれかに該当している。
・届出者が賃借人及び転借人の場合は、賃貸人及び転貸人が住宅宿泊事業を目的とした賃借物及び転借物の転貸を承諾していること。
・マンションで住宅宿泊事業を営もうとする場合には、マンション管理規約において住宅宿泊事業が禁止されていること(※)
(※)規約で禁止されていない場合でも、管理組合において禁止の方針がないかの確認が必要。
・一戸建ての住宅・長屋・共同住宅・寄宿舎のいずれかに該当する
・管轄の消防署で「消防法令適合通知書」を入手していること。
※住宅宿泊事業法の届出の際に書類に添付が必要です。
提出する方法は、民泊制度運営システムというオンラインシステムを利用します。
オンラインシステムによる届出書の作成が難しい場合、各自治体での設置窓口で配布されている書類を取得し、郵送での届出も可能です。
ただし、各自治体によって対応が異なる可能性もあるため、自身が届出をしようとする自治体窓口へ事前に確認をしておくことをお勧めします。
ホームステイ型民泊の申込後の流れ
届け出た書類は返送されませんので、申請前に関連書類のコピーを取り、控えを保管しておいた方がよいでしょう。もし届出に不明な点があった場合、担当者から問い合わせがあります。
届け出に問題がなければ各自治体が書類を受理し、届出番号が発行されます。そして自治体から住宅宿泊事業の標識が送られてきます。
この届出番号が記載された標識を目につきやすい場所に掲示する必要があります。
届出番号を取得し、標識を貼ることができたら民泊をスタートさせることができます。
なお、届出が完了した後も、届出書類の内容と民泊事業の状況が一致しているかどうか、各自治体の職員による定期的な立入検査が行われます。届出した後もきちんと法の変更がないか、通達が来ていないか、確認し守る必要があります。この立入検査では、届け出た宿泊事業者が立会わなければなりません。
もしこれを読んでいるあなたが外国人と交流をしたい、まずは民泊ってどんなものか知りたい、試してみたいと思ったのであれば、ホームステイ型民泊は比較的始めやすいでしょう。
また、ホームステイ型民泊で様子を見て、家主不在型や簡易宿泊所、旅館業の運営に切り替えていくのもよいと思います。
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